2005/05/20秋田森林管理署湯沢支署管内役内山国有林
湯沢市 秋ノ宮 繋の又沢の支流 大石沢
秋田7時30分出発，大石沢にゼンマイの状況把握に向かったが
今年は雪消えが遅く，まだ残雪が所々に見えたので上るのを止めて
ヨブスマソウ・ウドなどの山菜写真の撮影と採取にとりかかった。
写真158枚と山菜採取に５時間半を要した。
秋田に帰ったのは19時でした。
きく科 こうもりそう属 ヨブスマソウ
下の写真は2005/05/26に撮影したものです。
上の写真と同じものではないが
７日後の葉柄の付け根の包茎の変化を
参考まで掲載したもので，大きくなると
この流域のホンナ（方言名）はこうなる。
2005/06/02追記
データ：方言名：ホンナ，ボンナ
仲間にイヌドウナがある。産地によってホンナの種類が違って
いるようだ。秋田県中央地域の岩見（小又）で撮影した
ホンナは，ほとんどが茎を抱かない。
秋田県南部地域秋ノ宮（繋の又）で撮影したものは
ほとんど茎を抱いている。
茎を抱かないのはイヌドウナと思われるが
これらは同じ仲間で山菜としての料理も同じ。
図鑑等ではイヌドウナは葉先が尖らず丸みを帯びている。
中葉は三角形腎形，広翼のある柄あり，円頭で短鋭尖端，
基部は多少心形。
高木説によると耳形の翼に鋭く細かい切れ込みがある。
ヨブスマソウにはこの切れ込みがない。
などと書かれているが
ヨブスマソウにも細かい切れ込みのあるものもあれば
またイヌドウナと思われる丸みを帯びた葉に鋭く細かい切り込み
が認められなかったり，決定的な判定基準にはならないと思っている。
日本植物誌ではヨブスマソウの基部は多くは耳状包茎と書かれている。
私は茎を抱いているのがヨブスマソウ..
これが種を見分けるポイントと思うが然し難しい。
山菜の利用方法等は2005/05/11
を参照してください。
うこぎ科 たらのき属 ウ ド
データ：茎は太く高く大形の多年草ですが，毎年採取されると
瘠せて細く低くなる。
このことは山菜全てに共通することですが
３割ぐらいは残すように心がけたいものです。
葉はまばらに互生し，２回羽状複葉にわかれ小葉の縁に鋸歯がある。
夏になると淡緑色の小花をたくさんつける。
若葉は天ぷら，新芽は生のまま味噌をつけて，アク抜きをして酢の物やサラダに
細かく刻んでみそ汁の実，マヨネーズ和え，鰊や豚肉との煮付けなどもよい。
最近の研究機関の情報によると
ウドには強い抗酸化性とラジカル消去活性が期待されていること。
ウドの主たる成分はクロロゲン酸でその含量と抗酸化性，ラジカル消去活性は
高い相関関係が期待されていること。
ウドにはプラポノイドのケルセチン，ケンフェロールも含まれていること。
また，ウドの活性成分によって鎮痛，低体温，麻酔の持続などの作用が
期待されていること。
以上のことからウドには抗酸化作用・鎮痛作用などが報告されている。
前から発汗，解熱などの薬効があるともいわれている。
きく科 きおん属 ハンゴンソウ
データ：茎は太く紫色を帯び，成長すると２㍍ぐらいまでなる大形の多年草。
葉は互生し羽状に３～７深裂する。
花がよく似た有毒のキオンとの見分け方は
キオンの葉は単葉なので直ぐ区別できる。
採取するとゴボウに似た香りが広がる。
秋には黄色の頭花を散房状につける。
強いアクがあるので塩ゆでして水にさらし
和え物・煮物・お浸し・生のままで天ぷらなど
おたり村では茎を炒めたり，煮物にしたりしているようだが
味付けはお好みといっております。
おもいツきりテレビの知れば知るほどそれよさそう！で
2005/05/19に取り上げられた。
長野県小谷（おたり）村では「やまそ」と呼び健康効果を期待していた。
その内容はハンゴンソウに含まれる特有の成分が免疫力を高めたり，
また，ハンゴンソウには植物繊維が多く胃腸の働きを活発にすることで
風邪や生活習慣病を予防できると期待されておりました。
またマタタビの新芽の健康効果についても話題になっておりました。
すみれ科 すみれ属 オオバキスミレ
データ：日本海側の積雪地に多く，深山でよく大群落を見かけることがある。
地下茎から新芽を出し葉はハート形で大きく先は鋭く尖り，鋸歯がある。
葉を茹でて水にさらし
お浸しや和え物，汁の実にもなる。
ゆり科 しおで属 タチシオデ
データ：蔓性の多年草で雌雄異株。
はじめ真っ直ぐのびるが，わずかにつる性になる。
同じ仲間にシオデがある。
タチシオデはシオデより早く生え山地に多い。
塩を少し入れて茹でる。
お浸し・酢味噌和え・生のままで天ぷらなど
いらくさ科 むかごいらくさ属 ミヤマイラクサ
データ，山菜の利用方法等は2005/05/08
を参照してください。
けし科 きけまん属 エゾエンゴサク
データ：仲間にはキケマン・ミヤマキケマンなどの毒草が
あり要注意。
若芽や花を天ぷら・茹でてお浸し・和えものに
けし科の植物はいずれも有毒で本種も有毒とされるが
山菜として昔から利用されていることから取り上げたが
勧めるものではない。
下の写真は毒草のミヤマキケマン
2005/05/04小又林道牛小沢で撮影
